先日、最終回を迎えた人気ドラマ『unknown』。ダブル主演を務める高畑充希と田中圭の演技には多くの視聴者が惹きつけられ、その展開に一喜一憂してきたことでしょう。しかしその最終回後、様々な意見が交錯しています。一部には、「打ち切りでは？」との疑念を抱く声も。本当にそうなのでしょうか。
視聴率が苦戦していたことは確か。初回7.6％の記録から一時期は5～6％へと落ち込みました。しかし、最終回では7.0％をマークし、何とか回復の兆しを見せました。
ストーリーの核心となる「吸血鬼という存在」を巡る恋愛サスペンスという独特の設定が話題を呼んだ作品でした。特に最終回では、闇原こころの同僚・加賀美圭介と梅ばあこと今福梅の過去と関係性が明らかに。複雑に絡み合った人間関係の糸が解きほぐされ、全体像が浮かび上がりました。
一方、虎松の父・一条彪牙の過去の殺人事件についての詳細やその後の行動が不明瞭なまま終わったことから、「伏線が回収できていない」との声も。さらには、制作サイドが放送終了後に慌ててラストシーンの意味を説明したことから、「打ち切り説」まで飛び出しました。
しかし、これらは全て視聴者の感じた不完全さを映しているだけではないでしょうか。本当に打ち切りならば、制作サイドが事前に説明するのが通常です。放送終了後の説明は、視聴者への配慮とも受け取れます。何より、疑問を残すことで視聴者の想像を掻き立て、物語の余韻を残すのもドラマ制作の一つの手法です。
このドラマは、一筋縄ではいかない登場人物たちの関係性と彼らが抱える問題が、視聴者を引きつけた作品でした。私としては、その中で交錯する感情や対立する価値観を描き出すことに成功していたと思います。打ち切り説が出るほど話題となったという事実も、この作品が多くの人々の心に何かを刻み込んだ証拠ではないでしょうか。
