室戸市にある「むろと廃校水族館」で展示されているウツボが、一つの透明パイプにぎゅうぎゅうに集まる姿が注目を集めています。この珍しい行動は、SNSでも「まるで日本の縮図」「THE 日本人」として話題となり、多くの人々がその心理に興味を持ちました。では、なぜこのような行動をするのでしょうか？
学芸員の千原周さんによると、ウツボは「体に何かが触れている方が安心感を感じる」という性格の持ち主です。天敵から守るため、また安心感を求めて穴場や岩場などに隠れるのが自然な行動とのこと。実際の海の環境でも、ウツボは隠れ家を好み、そこでほとんどの時間を過ごします。
水族館での透明パイプは、ウツボたちにとって理想的な隠れ場所となっており、普段は1～2匹で入ることが多いですが、何らかの理由で一度に多くのウツボがパイプに入ることがあるようです。それが今回、偶然にもカメラに収められたのです。
一方で、残りの2本のパイプが空のままなのは、ウツボ同士で安心感を共有しようとする行動から来るものかもしれません。人間社会にも似た、'一緒にいることで安心する'という心理が、ウツボにも見られるのは興味深いですね。
こうしたウツボの行動は、彼らが思われがちな凶暴なイメージとは異なり、実はかなり社会的で、感情的な生き物であることを示しています。子どもたちにも人気のウツボたちは、そのおとなしく、愛着を求める性格から、多くの訪問者に愛されているのです。
