2024年度の予算案における自賠責保険の返済問題は、政策と財政運営の両面で重要な意味を持っています。国土交通省から財務省への1兆1200億円の貸付金は、約30年前に始まった長期的な財政課題です。2024年度の繰戻し額が65億円に増加し、これは2018年度以降で最高額です。この背景には、自賠責保険の運用益を利用した財務省への貸付け、および返済の停滞と再開があります。
1994年度と1995年度に国土交通省から財務省への1兆1200億円の貸付けが行われましたが、2003年度から2018年度にかけて返済は途絶えていました。しかし、交通事故被害者らの要望により、財務省は返済を再開し、毎年の返済額を設定しています。鈴木俊一財務相は、財政事情の厳しさを認めながらも、返済を進める姿勢を強調しています。
2019年度以降、財務省は補正予算を含めた返済を行い、2023年度には単年度で過去最高の73億円の返済が行われました。これにより、2024年度末までに貸付金は5,802億円まで減少する見込みです。今後の返済ペースを維持できれば、100年を超える返済期間を短縮し、完済に向けた大きな一歩を踏み出すことができます。
感想：
この記事を通じて、長期にわたる財務問題に対する政府の対応が見えてきました。特に、財務省の返済再開の決断は、被害者の声を反映した結果であり、政策決定における市民の声の重要性を改めて感じさせられます。また、返済額の増加は、財務省が財政の健全化に真剣に取り組んでいることを示しており、今後の財政運営に一層の期待が持てる内容でした。
